「不良老公」


「実は……病気のおっかさんの薬代を得るため、身売りをしなければならないのでございます」

- ぺーすけ -2002-03-07 15:32:01 (ホームページ)
「娘さん。なんでもいいから、わしらに打ち明けてみなされ。無理なことは耳から耳へと聞き流し、力になれることならば、お代官様に訴えてあげましょう」
- ぺーすけ -2002-03-07 15:35:25
『要するにこのジジイは、自分ではなにもしないのだ』
 助さんは忠義面を保ちながらも、心の奥底ではご老公に対し、かすかな侮蔑の念を抱かずにはいられなかった。
 おそらく、傍らにいる角さんのほうも同じことを感じていたに違いない。二人とも、思考や行動の見分けがつかない点では、双子のようによく似ているのだから。
- ぺーすけ -2002-03-07 15:38:16
「はい、実は……」
 娘が語りはじめると同時に、どこからともなく安手な、湿り気に満ちた音楽が流れてきて、娘の幸薄い身の上話をいやがうえにもメロドラマ的に盛り上げるのだった。
 この場面を、全国のテレビの前にごまんと居座る爺さん婆さんが眼にしたら、たわいもなく感涙をしぼられるであろう。
- ぺーすけ -2002-04-02 16:04:34
「……とうとう、病気のおっかさんの薬代を得るため、身売りをしなければならなくなったのでございます」
- しんいち -2002-04-07 16:37:55
「なるほど、娘さん。あんたの気持ちはよくわかった。ここはわしらに任しておきなさい。なあ助さん・格さんや」
ご老公は2人に娘に気づかれないように目配せをした。
助さんはそれを見てぞっとした。この娘とその家族とが、これからこれから
受けるであろう、苦難は想像を絶するものであろう。この娘はジジイに
合ったばかりに、全ての未来が絶たれたのだ。もはや家族に会うことは無いだろう
そして、娘の家族にもそれはやって来るのだ。
助さんは娘に言ってやりたかった。「逃げろ!」と
でも、それは出来なかった。助さんにはご老公に逆らうすべは無い
格さんにも。あれば、もうとっくにやっていたはずだ


( 続く )



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