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ぺーすけ
-2004-05-31 07:54:28
神様と天使が道を歩いていた。
するとその前を、とても悪そうな顔をした者が通り過ぎる。
「おおっ。悪いことをしそうな奴が歩いておる」
悪そうな者は、路地裏に身を隠し、今にもなにかしでかしそうな様子だ。
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ぺーすけ
-2004-05-31 07:55:08
傍らにいる天使がいきり立った。
「殺してしまいましょう、神様」
「待て、待て。見立て違いということもある」
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ぺーすけ
-2004-05-31 07:55:56
見立てに違いはなかった。
悪そうな者は、通りがかりの女性からバッグを奪い取ることで、
本当に悪い者であるのを証明してみせた。
「おおっ、泥棒じゃ」
さらに口封じのため、残忍にも被害者を殴打して殺す。
(しかも殺す前には、女性から服を剥ぎ取り、ここでは書けない真似をした)
その態度には、一片の情も見られない。
「強姦じゃ、殺人じゃぞ」
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ぺーすけ
-2004-05-31 07:56:43
一部始終を見ていた神様と天使は、おののきながら顔を見交わす。
「やはり、悪いことをやりおった」
「罰しましょう、神様」
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ぺーすけ
-2004-06-03 01:02:12
「待て、待て。罪を犯したから罰せばよいというものではあるまい」
さすが、神様。途方もないほど慈悲深い。
「でも、あの男は女をあやめました」
「男を罰したとて、死んだ者が甦りはせん」
やはり神様だ。云うことが違う。
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Kagami
-2004-06-03 18:09:59
「では、どうすればよいのでしょう。女を蘇らせましょうか?」
「待て、待て。自然の摂理に反したことを侵してはならん。この場合、罪を自ら償うように、あの男の意識を変えてやらねばならんだろう」
天使は深くうなずいた。
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ぺーすけ
-2004-06-04 23:24:31
そのときである。
神様と天使に嘲笑を浴びせ、立ちふさがる者がいた。
「また、こんなところで遊んでおるな、天国の者」
天界から追放された怨みを晴らすべく、地上で着々と力をたくわえる悪魔だった。
「おおっ。おまえは地獄の者!」
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ぺーすけ
-2004-06-05 02:18:48
天使は翼を鋭角に狭め、身構えた。
「敵です。戦いましょう、神様」
「待て。ここは地上じゃ。中立の領域である」
( 続く )
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